「事故だと思われて、謝られて、そのまま走って部屋に帰った」
「はぁ?!」
さっき、唇を離した後の来原の顔を思い出す。
驚いていて、そしてなんだか泣きそうで。
『ご、ご、ご、ごめんなさい!私が顔を上げたばっかりに!わかってます!事故です!すみません!まさかこちらを振り向いたとは!本当に、あの!ごめんなさい!』
俺に喋らせる間を与えないまま早口でそう言いながら、来原は走っていった。
飯田に会ってあんなことを言われたのも、真壁のあんな誇らしそうな顔を見たのも、来原にキスしてしまったのも、全部予想外のことで、頭がパニックに状態だ。
「和那、お前それでいいのかよ」
「……無かったことにしたいから、そんなこと言ったんじゃないの。真壁とデート、するみたいだし」
「んだよそれ」
俺は、さっき部屋を出てから起きた一連の話をポツリポツリと流星に説明した。



