こっち向いて笑って、先輩!



「……何してたんだ。さっき、真壁に会ったけど」


「えっ、あっ……お話…してました」


お話って……そんな風に言われたら、告白されたって余計わかってしまう。


「どんな」


「えっ、」


来原に背中を向けた状態でよかった。
今の俺、多分すごい情けない顔をしている。
かっこ悪いだろう。
こんな顔、見せられない。
人の恋路に首突っ込んだらいけないことくらいわかっているのに。止められない。


来原が、もうとっくに、俺のことは好きではなくなっていて、真壁の告白にオッケーしていたら。


「えっと……合宿が終わったら、遊びに行こうって言われました。2人で」


だめだ。
聞きたくない。
自分で聞いといてだけど、やっぱり……。


「だけど私─────」


「来原」


彼女の名前を呼びながら、俺はやっと、後ろの温もりに顔を向けて


「はい────っ、ん」


こちらに顔を上げた彼女の唇に、



自分の唇を重ねた。