こっち向いて笑って、先輩!



「来原がいつまでも自分のこと好きでいるのが当たり前、みたいな。そういう余裕ぶっこいた態度がホント気に食わないです」


イメージしていた彼とはなんだか違う。使わなそうな言葉遣いとか口調とか、俺のことが嫌いだって言われてるようだ。


こいつ、やっぱり来原のことが─────。



「嫌な思いさせて悪かった……」


「はぁ……先輩はどうしたいんですか。来原とどうなりたいんですか」


「俺は……」


こんな、一番大事なことが言えない俺見たいな人間よりも、さりげなく気を遣える目の前にいる飯田の方が、来原は幸せだと思う。


だけど─────。


「別に先輩の気持ちとかどうでもいいですけど」


そう言いながら俺の横を飯田が通りすぎた。



「そういえば、来原、さっき真壁に呼び出されて渡り廊下にいましたよ」


っ?!


飯田にそう言われてから、俺の身体は勝手に走っていた。


「ほんっと、バカだな……俺は」


飯田が一人でそう呟いたのなんて知る由もない。