こっち向いて笑って、先輩!



言われなくてもわかってる。


最近おかしい。


原因もなぜかわかっている。


ここ1週間、来原がまともに俺と話すのを完全に避けているのが気に食わないんだと思う。


来原の周りに男がいるのを見るたびに、イライラする。


目が合っても、向こうがあからさまに慌てて避ける。もう俺のことを好きではないのかもしれないと思って頭ではなんとも思ってないつもりでも、体は自然と、彼女に触れようとしたり。


今日なんて……。


来原のおでこに手を当てた自分を思い出しては、なにやってんだと恥ずかしさで顔を覆ってしまう。


外が寒くてよかった。


この熱くなった顔を早く冷ましてくれ。


「あ、」


そんな声が前から聞こえて、顔から手を離して顔を上げる。


「どうも」


そう言って俺に軽く挨拶したのは、来原のクラスメイトで、流星と同じサッカークラブに入っていたらしい飯田。