こっち向いて笑って、先輩!



話したいことってなんだろうか。


そんなことを思いながら、真壁くんを待つ。


「来原っ」


少し声のボリュームを落とした真壁くんの声が聞こえて、私は男子部屋に続く隣の棟に目を向ける。


「あっ、真壁くん!」


初めての建物に、夜の薄暗さ。1人じゃ心細かったから、こちらに駆け寄ってくる真壁くんを見て嬉しくなって手を振った。


「なんか、今先生たち、食堂で職員会議してるみたいだから」


『そんなに怖がらなくても怒られる心配はないと思うよ』って言われてるような気がして少しホッとする。


「そっか。じゃあ少しの時間は安心だ。それで、真壁くんどうしたの?」


声をかけると、真壁くんはぽりぽりと頬をかいてから、廊下の壁に腕を置いてから空を見上げた。


「……謝りたくて。この間の」


「……この間?……あっ、全然!だってあれ、真壁くんなにも悪くないし!謝らないで」


前に学食で怖い先輩たちに捕まったとかの話をしているのがわかって、慌ててそういう。