「それで。何があったの」


淹れたてのココアの入ったマグカップをそっと部屋の真ん中にあるローテーブルに置いてくれたみっちゃんが優しく問う。


衝撃的場面を見てしまった私は、そのまま号泣してしまって、話を聞くからうちに来なと言ってくれたみっちゃんに甘えて、今、大好きな親友の部屋にいる。


「うっ、如月先輩が……女の人と……いた」


「えっ、それだけ?」


「ただ隣を歩いていたとかそういうのじゃないの!なんか、絶対他人が入れない空気ができていたっていうか。一番は、如月先輩の……顔が……」


今まで見たことないような、優しい微笑みを、目の前の彼女に見せていた。


あんなに優しそうに、少しだけ切なそうに、はにかむ先輩、初めて見た顔だった。