「偉かったな」


「へっ、、」


「ちゃんと、最後まで走ったから。普通あんなの……来原っていつもああなの?」


「え……あっ、盛大にスカート破いたり、体育祭の1番大事な時に転んだりとか、そういうヘマをやらかして人様に迷惑かけてほんとうに申し訳ないと」


「誰もそんな言い方してないだろ……でもまぁ、間違ってはないな」


「ちょ!先輩!これでも落ち込んで反省してるんですよ!」


「ふはっ」


えっ、、、


今────。


『はい、この本であってる?』


『いえ。どういたしまして』


あの時、もう一度見るんだって。


そう思って今まで。


それが今─────。


ううん。


あの時よりも、もっと自然に、もっと溢れたように。


「っ、は?なんで泣いてんの」


「うっ、だって、だって、だって!」


大好きな先輩の


笑顔が見られたんだもんっ。


どうしよう。
まるで溺れているように。
どんどん先輩を好きになっちゃうよ。