「まさか、先輩の方から連絡くれるとはね〜。もしかしたら、あるのかもしれないよ!先輩、桃のこと好きになるかも!」


「……うん」


「どうしたよ」


みっちゃんがそういって私の顔を覗き込む。


嬉しかった。泣いたことを責めたり引かないでくれて、そばにいてくれたこと。
作業を手伝ってくれたこと、連絡先をくれたこと。


でも……。


先輩への想いを伝えたときの、あの空気が忘れられない。


迷惑だって前みたいにあからさまに態度で表すんじゃなくて、本当に困ってるみたいに、気持ちに答えられないことにすごく申し訳なさそうに、黙ってそっぽを向いた先輩。


今、先輩の中に、誰か忘れられない人がいるのだろうか、直感的にそう思った。