ところでどこに向かってるんだろう。
隆一くんの足は迷いなく階段を上っていく。
あ、これは屋上かな。
彼の行く場所といえば、裏庭か2階の空き教室か屋上だ。
案の定ついて行ってたどり着いたのは屋上。今日はよく晴れている。風も心地よくてお昼寝にはもってこいの場所だ。
「って、やっぱり寝るために来たの!?」
塔屋の影になっている場所に腰を下ろして目を閉じてしまう隆一くんに、私はぽかんとしてから仕方なく隣に座った。
あーあ、もうすぐ昼休み終わっちゃうんだけどなあ。
このままじゃさぼることになる…。
「隆一くん、いつまで寝るの?」
「……」
たぶんこりゃ6限くらいまで寝ちゃいそうだな…。
「あと10分くらいしたら起こすからね」
ってもう爆睡してるし。
顔を覗き込むと、規則正しい寝息とともに彼の端正な顔が無防備な寝顔をつくっていた。
真っ黒な癖毛気味の髪が、滑らかな頬にかかっていて、それをはらってやると少ししかめていた顔が穏やかになる。
その表情にふふっと笑いながら、私も少しだけ眠ろうと目を閉じた。
ゆったりした時間のなかに溶け込み、やがて深い眠りに落ちていく。



