状況を理解できないまま、彼の胸に背中をあずけると、
顔に影が落ちて頬に癖毛の黒髪がかかる。
目を見開いて声を上げるよりも前に、唇に柔らかい感触が触れた。
「…お前、可愛いから困る」
「…へ……」
たぶん、
これは、
私のファーストキスだ。
私も、キスとかカップルならしたいってデートのたびに思ってたけど、
我が儘な女だって思われたくないから黙ってた。
だけど、こんなタイミングで…されるなんて。
かなわない。
熱い。
顔絶対赤い。
それを上からじっと見降ろされてるから、引くどころか熱はどんどん増していく。
そんな私にまた口元を緩ませながら、彼は頬に短い口付けを落とした。



