無言テイストの愛の表現




「あの、隆一くん。私今日は勉強してくね、もうすぐテストだし、赤点はやだから」



靴箱に向かおうとしていた足を止めて、隆一くんは振り返る。




「それにとばしたのよりによって化学だし…私前に化学の点数ひどかったの見たでしょ?
あれもう二度とお母さんに見せられないし、今日は先生に今日の分の授業内容教わってくるよ。だから今日は先に帰ってていいよ」




隆一くんはしばらく黙ってから「ん」とだけ言って、階段を下りて行った。





…ちょっとさびしいなあ、


なんてことは言わないけど。




隆一くんは頭いいから、少し授業飛ばしても平気で90点代をとってくるから恐ろしい。



私とは明らかに脳の作りが違う…。





「よし、気ぃ取り直して頑張れ、わたし!」



頬をぺちっとたたいてから、化学室まで走った。