「おにいちゃん…、ごめんなさい」
うるんだ声でいう女の子に、
彼は少し間をおいたあと小さく笑って、その子の頭に手をのせた。
「いいよ」
2,3度ポンポン頭を撫でた後、
彼は女性に会釈して反対の道に歩いて行ってしまった。
私はその一連の場面をただじっと見守っているしかできなかったけど、なんだか胸がぎゅっとなって、気づいたらその人の後を追っていた。
「あの!!」
彼を追い越して目の前に立つと、びっくりしたように目を見開いて私を見下ろした。
「今の行為、生徒会で賛辞を受けるべきです!」
「……は?」
「あ、それとこれ」
ぽかんとしたままの彼に、バッグから絆創膏を取り出した。
「手洗った後、これ使ってください」
「……」



