やだ。
「…知りたくない」
「…本気で言ってんの?」
「知りたくない!!……翔はあたしのとこにいてよ…」
あたしはぎゅっと翔の制服を握るけど、自分が情けなくなる。
翔の恋を応援しないで、あたしの側に居させようとするなんて…ずるいよね。
「…あっそ……じゃあ俺は…ここにいられねぇ…」
「…え?」
すると翔は、お弁当を直して立ちあがった。
…あきれ、てる…?
「ずりぃよ…そういうの」
翔はそれだけ言って、屋上を後にした。
あたし…最低だ。
…翔にひどいことしちゃった…。
ちゃんと聞いてあげればよかった…あんな顔させたくなかったのにっ…。
「…もうやだぁ…」
あたしは一人で寝転がっていた。

