「ありがとねっ!?翔!」
「うん、そいつ誰?」
「ん"?!」
あたしは翔の力強い手によって、ぐるっと後ろを向かされ、新くんの方を見させられる。
「ほら、この男だよ。誰?彼氏?なにもの?」
「…新くん」
「新?…あぁ、さっき言ってた…」
翔の勢いが凄すぎて、あたしはびっくりする。
「あれ?有名人くんじゃん。どーもしーちゃん先輩の彼氏です」
翔をからかうように、新くんがあたしの手を握ってきた。
その瞬間。
ーシュンッ
翔はさっき転がってきたボールを思いっきり投げて、そのボールは新くんの顔の真横を通った。
「か、かかかけけける…?!」
あたしは驚きすぎて、噛みまくり。
な、何が起きたのっ?!
「ふざけんなお前、その汚ねぇ手離せ。殺すぞ」
「…?!」
目を丸くするあたしと反対に、新くんはニヤニヤしてる。

