でも、すこーしだけ弟みたいなところがあるよね、新くん。
翔にこの年下感はないもんな〜なんかあたしの前ではいつも怖い顔してるし。
年下のくせに落ち着いてるし。
でも一応、あたしのほうが先輩なんだよね?!
敬語使えってのに…あいつ〜いつもタメ口なんだよね〜…。
それで肝心なときに敬語使ってくる!!…ずるい。
「先輩!!」
突然横から大きな声がして、サッカーのボールが運動場からすごいスピードで飛んでくる。
「きゃっ…?!」
あたしがぎゅっと目をつぶると、ダンっと音がしてボールが下に落ちた。
「いってぇ…これ…」
「だ、だ大丈夫?!翔!」
あたしは目の前でたくさんの汗をかきながら、息を切らしてる翔を見つめる。
なんでこんなとこに?!
「…はぁ、まじびびった…」
「え?」
「先輩が男と二人でいるから…それで来たらボールぶつかりそうになってるし…」
体育館って結構遠いよね?!
…翔って視力やばい…。

