意味のわからない言葉に少しイラッとする。



なんなんだよ、今の俺の気持ちも考えないでなんでそんなこと言うんだよ。




「…追いかけなよ」



「…?!」



「追いかけてあげなよ!…バスケで有名になって…フランスぐらい迎えに行ってあげなよ…っ」




真知さんはとても苦しい顔をして、泣いてる。



ああ、この人もだ。



この人も寂しいんだ。




「あの子は覚悟を決めて、行ったよ…翔くんも覚悟決めてよ…」




強い光を持った目が俺を捉えている。




…その時俺は、心底自分に呆れた。




俺はいつも真白先輩に追いかけてもらえるように仕向けてばっかりで、自分は全く動いてない。




…逃げてんのは…俺だ。