これがまあ、控えめに言って天使。



俺がスマホの画面ばかり見ているのが気にいらないらしく、先輩は俺のスマホを取り上げた。




「ねえ…なんでまだ二人だけでご飯食べなきゃいけないの!」



「……先輩は、俺だけじゃ物足りないんすか…?」



「ち、違うよっ!そういうことじゃなくてっ…」




先輩はすぐにうつむいて、最後の方は何言ってるかわからないくらい小さい声になった。




この人はちょろい。




俺がちょっと悲しい顔をして敬語を使えば、すぐに自分が悪いような気になる。




俺は彼女のことを全部知っている。