「…なあ真白」 「…っ、ヒック…うっ……っ…」 「お前のこと…好きになっていい…?」 ぎゅっと先輩を抱きしめる柏木先輩の顔が、泣いてる先輩と同じくらい辛そうで苦しそうな顔だったことを 俺は知らなくてよかった。 俺には入り込む隙間もない二人の心の距離を 感じなくてよかった。 「…ごめん陽向ちゃん…あたしは…」 「…知ってる留学の話」 「ごめんね…っ…」