♢真白SIDE♢
昨日、あたしは初めて翔に嘘がバレなかった。
…あれは賭けだった。
翔がもしあたしの嘘に気づいて、本当のことを言わせようとしてきたら
あたしはテストを受けないつもりだった。
だってあたしがいなくなったら、翔すごい悲しむと思うから。
でもよりによって、初めてバレなかった嘘が…これなんてね。
あたしは、机の上に乗った文字だらけのテストをどんどん解いていく。
今日は、留学者決定試験の日。
あたしはテストを受けるか正直悩んでた。
翔はあたしと離れたらどうなっちゃうんだろうって思ったし、あたしもあんな不安そうな翔を置いていけない。
でも気がつけば、毎日夜遅くまで必死に勉強してた。
写真部のみんなも応援してくれた。
あたしは、もし試験に受かったら翔に黙ってフランスに行く。
…ごめんね、翔。
あたしを許さなくて…いいよ。
覚悟はしてる。

