わかるけど、いつもみたいに自分の中でごちゃごちゃなってるわけじゃなくて
スッキリした顔をしているから、きっと俺に話す気はさらさらないようだ。
…最近、寝不足な感じだし…なんか悩んでんの?
まあ、この顔は解決したってことだろ。
「よし!あたし頑張るね!翔!」
「…なにを?」
「明日ね、英語検定があるの!…応援してくれる?」
「…はあ?なんだよそれ…やっぱバカかよ」
「えへへっ!ちがうよっ!ばいばーい」
俺にたくさん手を振って、先輩は家に入っていった。
英検であんな顔してたのかよ…ぷっ…すげぇ可愛いな。
俺は心の中で、柄にもなくテストのときあの人に何も起こらないことを願った。

