その後はほとんど全員が会長に告白することになり、みんなすごく上手だった。
こんな可愛くて、カッコイイ人たちに告白される人は幸せなんだろうな〜。
…まあ、しーちゃんは……翔に言われたいけど…。
なんてね!!!
今はこっちに集中しなきゃ…もうっ。
あたしは頭をフルフルとふって、翔の顔を頭の中からけした。
…消えませんでしたが。
この日の練習は、あたしが変なところで恥ずかしがることがわかったらしく…あたしをどうするかの話し合いになっていた。
「やっぱ姫の告白は欲しいよな〜…」
「もう相手役、陽向にやらせればいいじゃね?」
「てか、姫の彼氏に頼めば?あのすげーイケメンの」
「いいね!それ!…あ、俺いいこと考えたんだけど…」
…なにやらみんな楽しそうに話してて、あたしは手遊び中。
隣で陽向ちゃんに見張られてる新くんも静かになっちゃって、もうつまんなーい。
すると、会長がさっきよりもっと悪い顔をしながらこっちに来た。
「姫の相手役は、男装した楓にすることになったから。安心しな?」
「えっ?!楓さんっ?!ほんとに?!」
「ああ。それでこれ、姫用のセリフ。じゃあおつかれ〜」
ヒラヒラと手を降って、ご機嫌に帰っていった会長。
そっかぁ…楓さんか!
それなら恥ずかしくないや…。
あたしは、渡された紙を失くさないようにしっかり持ってポケットに入れた。