「愛してるー」
会長の目を見ようともせずそう言って、しれっと逃げようとする新くんをいつの間にか陽向ちゃんが捕まえていた。
「おまえ、逃げんの?」
「・・・」
「こっちは早くこんな集まり終わらせてーんだよ余計な仕事増やすな??てことでお前、俺の横にいるよな?…な?」
すごく怖い笑顔を浮かべて早口な陽向ちゃんのおでこには怒りマークがついてるみたい。
その様子に新くんはもう逃げられないと諦めたみたい。
陽向ちゃんはそのままあたしの横に新くんを連れてきた。
「あーあ、隣が新くんになっちゃった…」
「うわ!そういうこと言います?!むしろ俺のほうが最悪っすよ…こんな怖そうな…」
「…おい新、どーやってそのうるせー口塞がれてーの?」
「…え、遠慮しとくっす…」
ぷっ、
あのいつも余裕な新くんがたじたじになってる。
意外といい組み合わせなのかもねっ、新くんと陽向ちゃん。
あたしも最近は、そこまで苦手じゃなくなってきたし…ていうか慣れてきた?

