状況のわからないあたしは、怖くてただその場でうずくまっていると…。 「先輩…何してんの」 頭の上から、安心する優しい声が聞こえる。 なんで…なんであたしがいるってことが分かったの…? それとも別人…? あたしは不審がりながら顔を上げると、確かにそこには女子に囲まれた翔の驚いた顔があった。 「翔っ!」 あたしは見つけてくれた嬉しさと、普通に話しかけてくれた嬉しさで一気に抱きついた。