「きゃあああ!!サインしてくださいっ!!」 「連絡先教えてくださいっ!!!」 その騒ぎは、まるでアイドルが街中に現れたような感じだった。 後ろの方に埋まっているあたしは、翔の姿なんて全く見えない。 ただただ、人の中で潰されないように踏ん張ってるだけ。 絶対会えないよ…こんなの。 あたしが諦めかけたとき、人混みが急に大きく動き始めた。