きっと先輩の勇姿に、どこかで真知も号泣してるんだろうという想像が簡単にできる。
…この後どうしよう…一応翔に会いに行ったほうがいいのかな…。
でも絶対重い雰囲気だよね…。
どうしよ…。
あたしが一人でうーんと考えていると、周りの四人が一気に立ち上がった。
沙羅「よし、先輩!翔に会って帰りましょ!」
礼央「おつかれって言ってあげてください。それだけであいつはすげー嬉しいはずですよ」
みんなの言葉に背中を押され、あたしは試合が終わった翔を関係者入り口の前で待つ。
ここから翔たちは出てくるらしい。
あの四人はあたしを案内したあと、「空気読んで帰りますね」と言って帰ってしまった。
…どの空気?!
そして、今あたしは女の子たちの出待ちの多さにびっくりしてる。
あたしははすごい後ろの方にいるけど押しつぶされそう。
翔、気づいてくれるかな…。
不安ばかりの感情で、翔を待っていると、前の方の女子たちが凄い歓声を上げ始めた。
翔が出てきた…。
嫌がられる、かな…。

