会長代行はわたしが「気づかなくてすみま……」と言いかけた言葉を遮り「もっと早く話しておくべきだったな」と、すまなさそうな顔をする。

会長代行の体のことをちゃんと聞いておくべきなのかと、何度も思っている。

でも、会長代行が自ら話さないことを自分が、でしゃばって口出ししていいのかと迷い、聞き出せずにいる。

会長代行のお姉さんは「もっと由樹の体を気遣って」と言うけれど、会長代行自身はわたしがそうすることを望んでいない気がしている。

「どうした?」

「いえ……」

「気遣いは無用だ。不都合があれば、その都度きちんと伝える」

「はい」

会長代行はちゃんとわたしを見てくれている、わたしの不安もちゃんと理解してくれている、確かにそう思った。