「白金台だったか、自宅は」

「はい」

「乗せていく。雨がさらに強くなりそうだ」

会長代行は時計を確認し、スクッと立ち上がった。

ビジネス鞄を手にし、キャリーバックの持ち手を握った。

わたしの片づけが終わったのを確認し、出口に向かう。

わたしも急いで、出口に向かった。

会長代行はわたしを先に退室させて、スマートロックで会長室の鍵をかけた。

カードのロックは会長代行と、わたししか操作できない。