それからアタシ達は真夏の遊園地を満喫した。



ガイドブックから乗りたいアトラクションを三人で話し合い、ファストパスを取りに行って待ち時間が少ない乗り物には並んだ。



今日一日で全ての乗り物に乗るくらいの緻密なスケジュールをわもかちゃんが考えてくれた。



彼女はずっと、笑顔だった。



お母さんとのことやこれからのことで悩んでいることはずなのに、今日は、アタシの前ではずっと笑顔でいてくれた。



列で並んでいる時も、目の前で立ち止まると買ってもらったばかりのスマートフォンを取り出すと真剣に何かを入力していた。



打ち終えた彼女がアタシを見て微笑むと、ポケットの中のアタシのスマートフォンが震える。



彼女からだった。



目の前にいるのに届いたメッセは短いメッセージと緩い顔文字。



「唯理さん! すごい楽しい! v(^o^)v」



スマートフォンから顔を上げると彼女は満面の笑みで、アタシはその笑顔につられて頬が緩み、抱きしめたくなる衝動を抑えていた。



これが他の誰かだったら、冷たい言葉を浴びせたかもしれない。



でも、彼女なら許してしまう。



彼女にだったら何をされてもいい。



全て受け止められる。



そんな錯覚を起こしてしまいそうだった。