「あ、唯理さん。後ろ向いてください」
「え? 後ろ?」
そう言われて振り向くと、白いワンピースを着たわもかちゃんが立っていた。
「唯理さーん!」
小さく手を振りながら駆け寄ってくる。
「おはようございます」
アタシも手を振り返しながら、あまりのかわいさに言葉を見付けられずにいた。
「おはよう、わもかちゃん。今日は何か——」
そして思い出したように吹く生暖かい海風に飛ばされそうになる麦わら帽子を押さえる姿は、
「お姫様みたいだね」
アタシの心を今までにないくらいにドキドキと高鳴らせた。
「え? そうですか? 変じゃないですか?」
「そんなことない。マジでかわいい。ホントにお姫様みたい」
「ほんとうですか? じゃあ、唯理さんはまた王子様になってくださいね」
「え? アタシ? いやぁ………こんな格好だよ?」
長袖の薄いパーカーとスキニーパンツ、キャップをかぶった王子様。
完全なる日焼け防止スタイル。
ちょっとカッコ悪いよね。
「ううん。唯理さんはいつもカッコよくて、かわいい」
メガネの奥にある形のキレイな目がくしゃっとかわいらしくわかっていた。
その笑顔は無防備なアタシの心を撃ち抜いた。
ああ、こんな感情を何て言うんだっけ。
私には遠く、忘れてしまった思い。
「ちょっと二人とも、私もいるんだけど?」
相変わらず露出度が高いだけのシャルはふてくされていた。
「あー、はいはい」
シャルを見て現実に戻ってきた感じがした。
「扱いが雑!」
「ごめんごめん」
「二人でイチャイチャしやがって。付き合いたてかよ」
「そんな付き合うって……」
女同士なのに。
そんな言葉がアタシから出てくることはなかった。
隣で笑っているわもかちゃんを見て、そんな可能性もあるのだろうかと思っていた。
「え? 後ろ?」
そう言われて振り向くと、白いワンピースを着たわもかちゃんが立っていた。
「唯理さーん!」
小さく手を振りながら駆け寄ってくる。
「おはようございます」
アタシも手を振り返しながら、あまりのかわいさに言葉を見付けられずにいた。
「おはよう、わもかちゃん。今日は何か——」
そして思い出したように吹く生暖かい海風に飛ばされそうになる麦わら帽子を押さえる姿は、
「お姫様みたいだね」
アタシの心を今までにないくらいにドキドキと高鳴らせた。
「え? そうですか? 変じゃないですか?」
「そんなことない。マジでかわいい。ホントにお姫様みたい」
「ほんとうですか? じゃあ、唯理さんはまた王子様になってくださいね」
「え? アタシ? いやぁ………こんな格好だよ?」
長袖の薄いパーカーとスキニーパンツ、キャップをかぶった王子様。
完全なる日焼け防止スタイル。
ちょっとカッコ悪いよね。
「ううん。唯理さんはいつもカッコよくて、かわいい」
メガネの奥にある形のキレイな目がくしゃっとかわいらしくわかっていた。
その笑顔は無防備なアタシの心を撃ち抜いた。
ああ、こんな感情を何て言うんだっけ。
私には遠く、忘れてしまった思い。
「ちょっと二人とも、私もいるんだけど?」
相変わらず露出度が高いだけのシャルはふてくされていた。
「あー、はいはい」
シャルを見て現実に戻ってきた感じがした。
「扱いが雑!」
「ごめんごめん」
「二人でイチャイチャしやがって。付き合いたてかよ」
「そんな付き合うって……」
女同士なのに。
そんな言葉がアタシから出てくることはなかった。
隣で笑っているわもかちゃんを見て、そんな可能性もあるのだろうかと思っていた。


