「…あの…ボール当てたの…俺」

え?

「ゴメンな、その…」

センパイはおずおずと話しかける

「いつも…あんた、俺らの試合、見学に来てくれてるだろ?気になってたんだ」

私は黙って聞いている。

「その…話したかった、あんたと…

でも、きっかけがなかなかなくて、さっき、ボールをあんたに向けて、蹴って…」

「当てるつもりなんて無かったんだ、もちろん。あんたの近くにボールを落として、話しかけるきっかけにしたかっただけなんだ。」

ゴメン!とセンパイはまたまた私に頭を下げた。

話したかった?私と?

一体どういうこと?何をお話しするの?

私はほとんど放心状態…

ドキドキドキドキ