地下の部屋は、体育館より広かった。
ずらりと並んでいる電球は二つずつとばして、オレンジ色の灯りを点けた。
全部点いたりはしないのか?このぼんやりとした部屋は気分が暗くなる。


「全員いるね?」


皆動かない。確認しやすいからか、すぐに次の言葉が出てくる。


「ゲームのルールを説明しよう。デスゲーム、は死なないために戦ったりするよね」


デスゲームにも色々ある。
戦うだけでなく、提示された条件をクリアしていくこともある。


内容はとにかく一瞬で死ねるのがいいなあ。
あと、全員生き残ろうとか言わないでほしい。


「このデスゲームでは、チームを作って戦う」


チーム!?最悪のパターンだ。
私は生き残るつもりはない。けど、他の人は生き残りたいと思うはず……。
こういう、協力するのは大嫌いなんだ!


「生き残ったチームは助かるの!?生き残るチームは一つだけ!?」


「それについては後だ。まず、戦闘について説明しよう」


まずはそれを聞かないと。もしかしたら私でも出来ることかもしれない。
体力は必要じゃないといいな……。


「戦うと聞いて何を想像した?」


「え……なんか爆弾とか使ったり?閉じ込められて生き残った人だけを集めるとか……」


怯え、困惑しながら答える。


「そんな感じだね。では、このゲームではどうするのか説明しよう」


早くして!内容を知って私だけ死ぬ方法を考えたいから!



「ここでは魔法を使ってもらう。そして、何度も死んでもらう」


魔法!?何度も死ぬ!?
私が読んできた話にはないパターンで、対策を立てようがない。


それより、可能なのか!?いや、あの男は魔法としか思えないようなことをした。あり得る……。
この世に魔法は存在したんだ……。


「何度も死ぬってどういうこと!?生き返れるの!?」


「何をすれば終わり!?」


「そうだ。生き返れる。ゲームが終わるのは、僕が満足したときだ。そのときに死んでいれば外の世界でも死んだことになる」


そうか、そういうことか。
ならさっさと死んで生き返らなければいいんだ。生き返りの仕組みがわからないけど。
そういうシステムがあるならチーム戦でも安心して死なせてもらおう。


「それと、外でも死ぬことになったら、君の家族や大切な人に、一つ不幸なことが起きるよ」


私の顔を見て、にやっと笑っている気がする。
私の心でも読んだのか!?


「例えば君のお母さん、働き詰めで疲れが溜まってるでしょ。死んじゃうかもね」


間違いない。私に対して言っている。
仕方ない。生き残るしかないんだ。やつが満足する戦いを見せるしか……。私は不本意だけど生き残るために戦うことになった。