春風がそっとわたしの髪を撫でる。

桜の花が満開になって、淡い桃色の花びらを運んでくる。

大きな桜の木の下に立つ君の髪は、微風によって優しく揺らされている。

心臓は大きな音を立てて、とくん、とくん、と鳴っている。

そしてわたしの恋心は、今、開け放たれるんだ。



「修二!」



腹の底から君の名を呼ぶ。

君の瞳は大きく揺れる。