「しばらく2人にしてくれ」 「かしこまりました」 朔弥はそうカナさんに告げると、さっきまでカナさんの座っていた席に腰を下ろした。 私は布団を鼻の頭まで引き上げ、朔弥とは反対方向を向く。 「…おい、こっち向け」 「嫌です」 はあ、とため息の音が聞こえたかと思ったら私の上に影がかかった。 前髪を、指が撫でる。 「ん、熱は大分落ち着いたみたいだな。」 少し冷たい朔弥の指が心地よくて、それだけで胸がぎゅっとなる。 …離れたくない。 この人と、離れたくないよ。