橘はバカじゃない。俺の嘘にもきっと気づいただろう。 …俺が、橘を拒絶したことも。 橘の気持ちは知っている。 橘は働き者だし、メイドとしてはいいやつだと思ってる。 ただ、ああいう顔を見るとうんざりする。 めんどくさい、と思う。 そんなものどうせ、一時の感情だ。 俺は着替えながら昨日の日向子の言葉を思い出す。 ただ、自分にとって心地よいものは失いたくはない。