私は早足で階段を降りていた。 「…お父さん」 何か、あったの? 不安で心臓が嫌な音を立てる。 一階の大広間を左に曲がって、細い廊下を奥まで進む。 事務員の人から電話を受け取り、そっと耳に当てた。 「…もしもし?お父さん?」 「ひな!久しぶりに聞くな、お前の声!」 私の心配をよそに、お父さんの声はとても嬉しそうだった。