久しぶりに気持ちの良い朝だ。


社長は意外にも何も言ってこないし、朔弥は明日からまた前の仕事に戻っていいって言ってくれたし。


今日からまた、あなたを起こせる。


いつもより軽い足取りで、私は朔弥の部屋の前まで行く。


「朔弥様、入りますよ」


ドアを開けると、案の定熟睡している朔弥様。


そっと枕元にしゃがんで、寝顔を覗き込む。


「ふふっ、かわいい」


ドキドキしながら、ほっぺにそっと触れる。


「朔弥様、起きてください、朝ですよー」


「ん…」


いつもの寝起きの悪さならここで引っ張られて…


私はそう思って身構える。


「…はよ」


「あ、おはようございます…」


アッサリと朔弥は目を開けて、起き上がり、支度を始めた。


…なんか、拍子抜け。


いつもならここで憎まれ口でも叩いて首にキス…


って、別に期待してるわけじゃないけど!


そうだよ、ちゃんと起きれるようになったなんて、いいことじゃん。