「悠人さん!」 振り向くと私たちを見ながら苦笑している悠人さんが。 「うっさいなあ」 「それにしてもこんな日がくるなんてね」 厨房から出てきた百合さんが優しく笑いながら言う。 「あの遊び人の朔弥様もついにしぼったのねー」 「ちょっと、カナ」 「おめでとう、ひなちゃん」 悠人さんの大きな手がふわりと頭にのる。 それだけで、なんだか安心する。 「おい」