「気に入ってくれてよかった〜そんなひなちゃんにはこれもあげちゃう!」
そう言って拓人くんは自分のパフェを私の方にずらした。
「…いや、これは拓人くんがたべなきゃ。せっかく楽しみにしてたんだから」
「俺は嬉しそうに食べてるひなちゃんをみてるほうが楽しいからさ!」
そう笑顔でいう拓人くんは、パフェをまだ一口しか食べてない。
あんなにワクワクしてたのに…
「…もしかして、拓人くんって実は甘いの苦手?」
「…なにいってるのひなちゃん」
一瞬の間だったけど、拓人くんは不意を突かれていた。
「じゃあなんで…」
「誤解だって、いいから食べな?ね?」
…拓人くんの考えていることが、わからない。
「ねえ拓人くん、お会計はほんとに私が!結局拓人くんのまで食べちゃったわけだし」
「いいからいいから」
「でも…!」
「あっ、あんなところに俳優の菅田将人が!」
「えっ嘘どこ!?」
「あ、レシートはいらないです」
私の前を通ってお店を出た拓人くん。って…あれ?
騙された!?


