「まぁ故ありて、とやれば伊達家を潰せなくはないが、そうなると三万はあろう伊達兵がどれほど抵抗いたすか」

指摘したのは酒井忠勝である。

「しかし、仮に両成敗にしたとして幕府に従わなんだときにはいかがいたす」

阿部の危惧はそこにあった。

長引けば間違いなく内戦となり、島津や毛利がどう動くかは図れない。

そこで。

みな、黙り込んでしまった。