「冷泉くん…?」


「…やっぱり想世架だ。
こんなとこでなにしてんの?」


「向日葵、見てたの。
ずっと部屋にいると身体が弱くなっちゃいそうで。」



ふわっと微笑みながらそう言うと、今度は不思議そうに杏を見た。



「そちらの方は…?」


「あぁ…。
…杏、この子が白鷺想世架。
会いたがってただろ?」


「…あなたが、想世架ちゃん…?」



じーっと、我を忘れたかのように見つめ続けていた杏。


…想世架の目は、惹き込まれそうなくらい綺麗だから。



「はじめまして!
雪城 杏です。
想世架ちゃんのことは、千暁から聞いてます!」


「あ、はじめまして…。」



想世架は、緊張したように、ぎゅっと膝掛けを握りしめている。


…多分、想世架は杏みたいなタイプは苦手なんだろうな。