「……?
どうかされました?」


「あ、いや…。」



見つめすぎてたみたいだ。
不思議そうにしている彼女を案内しようと、エントランスへ向かった時。


あ!と、彼女が声を上げた。



「おばあちゃん!!」



走り出す彼女。
……想世架が、走ってるみたい。


想世架が走ったら…あんなふうに、可愛いんだろうな。

俺の名前を呼びながら、駆け寄ってきてくれたら……。



「先生!ありがとうございます。
おばあちゃんここまで来てくれたみたいです。」


「いえいえ。良かったですね。」


「はい!」



それじゃあ、とおばあちゃんを支えて踵を返そうとする彼女に。


俺は気がつくと、声をかけていた。