あれから、何時間経ったのか。

日記を読み返しては泣いて…と繰り返していたら、いつの間にか夜になっていた。



「……あ。」



開け放たれた窓から入ってくる風が、微かに日記のページをめくった。


なんだ、これ…。
最後のページにも何か書いてある…。



“千暁へ。
これからもずっと、大好きだよ。
だから…笑って。
私の大好きな笑顔、見せてほしいな。
ちゃんと…見守ってるから”



「……っ…!」



泣きながら書いていたのか、インクが滲んだメッセージに…この一言。


傍にいなくても、想世架が傍にいてくれる気がするんだよ。


見守っててくれるか…?
俺、お前がいつ見てもいいように…ちゃんと笑っててやるから。

そこから、ちゃんと見てろよ。



俺はそっと、窓から見える星空を見上げて…また涙をこぼした。