「お前は…そんな気持ちだったんだな。」



お前があの日、悲しそうな顔をしていたのは…やっぱり俺のせいだった。


傷つけて、ごめん。
俺が素直じゃなくてごめん。



泣きながら書いたのか、ところどころの文字は滲んで涙の跡が残っている。

泣かせたのは…俺だよな。
お前は俺の前で泣くことは、少なかったけど…ひとりで、泣いてたんだよな。



「……傍に、いてやれなくてごめん…。」



読み進めていくと、俺が告白したことや一緒に行った紅葉狩りのことも事細かに書かれていた。


あいつにとっての、大きな思い出。
俺にとっても、かけがえのないもの大切なお前との時間。



「……っ…くそ…。」



約束、守れなくてごめんな。

死なせない、って言ったのに……俺はお前を死なせた。


助けてあげられなくて、ごめん。




想世架の日記は、後半になればなるほど…どんどん書かれていなかった。


書いていても、2〜3行ほどで…文字だって震えていて読めないものもあった。



それでも、そこには…想世架が生きていた証がしっかりと残されている。


俺が、愛した記録も。
俺が愛されていた記録も…全て。