「そういえば、お前…前に俺の友達に会ってみたいって言ってただろ?
…だから、連れてきたんだよ。」



雪の降るいつの日か。
何気なく、想世架は…千暁は友達が沢山いるから羨ましいって言っていた。

中学からの付き合いがほとんどになるけどな、って笑ったら。
あいつは寂しそうな顔で、それでも羨ましい…と小さくもらした。


機会があったら、会わせてやると言った約束…遅くなってごめんな。
中学からの友達じゃねぇけど、大学の大事な友達なんだよ。



「…はじめまして、想世架さん。
冷泉くんの友達の明智 巴です。
冷泉くん、びっくりするくらい…貴方しか見えてなくて…他の女の子にはすごく冷たいの。
でも、大事な私のお友達ですから…そこから、見ててあげてくださいね。」


「……明智…。」



しゃがみこんで、想世架の墓前の前で手を合わせる明智。
それを見ていた七瀬も、倣うように想世架の墓前に手を合わせた。