「今日は2限で終わりだから、3人でどこか行きましょうよ。
七瀬もそれまでには来ると思うわ。」


「……。」


「あら、冷泉くん。
今日は忙しいかしら…?
あ、また彼女さんのお家に行くご予定?」


「……!…いや、大丈夫。」



今、想世架の家に行ったって…することは線香を上げることしか出来ない。

想世架のおばさんは、昔から覚悟はしていたのよ…と悲しそうに微笑んでいた。
それでも、やっぱり最愛の一人娘を失った苦しみは大きいはずだから。



「……?
彼女さんと、別れたの?」


「……そんなとこ。
そろそろ教授来るから、準備するわ。」


「え、あ…そうね。」



気まずくなって、会話を無理やり終わらせた。

…想世架のことを話せたら、どんだけ気が楽になるんだろう。
想世架のことを紹介出来たらいいんだけどな。