「想世架。」
再び、声をかける。
それでも、想世架がこちらを振り向くことはない。
いつか消えてしまいそうなほど、白い想世架はこの桜の色に染まってしまうかもしれないとすら思う。
ーー「あらあら、そよ。
冷泉くんが来てくれたのに…。」
ロイヤルブルーのティーセットを持ったおばさんが、想世架の手を取って俺の頬に触れさせる。
そうするとやっと、想世架は顔をこちらに向けた。
「想世架…。」
「……ち…ぁ……」
微かに紡がれる言葉。
それでも、俺にはしっかりと“千暁”と聞こえた。
想世架が呼んでくれるなら、どんなに小さい声だって気がつける自信がある。
「ごめんなさいね。
そよ、さっきまで寝てたみたいなの。」
「大丈夫です。」
「じゃあ、ここに置いておくから。
ゆっくりしていってね。」
ふんわりと微笑むおばさん。
病院にいた時よりも…少しだけ、明るくなった気がする。
再び、声をかける。
それでも、想世架がこちらを振り向くことはない。
いつか消えてしまいそうなほど、白い想世架はこの桜の色に染まってしまうかもしれないとすら思う。
ーー「あらあら、そよ。
冷泉くんが来てくれたのに…。」
ロイヤルブルーのティーセットを持ったおばさんが、想世架の手を取って俺の頬に触れさせる。
そうするとやっと、想世架は顔をこちらに向けた。
「想世架…。」
「……ち…ぁ……」
微かに紡がれる言葉。
それでも、俺にはしっかりと“千暁”と聞こえた。
想世架が呼んでくれるなら、どんなに小さい声だって気がつける自信がある。
「ごめんなさいね。
そよ、さっきまで寝てたみたいなの。」
「大丈夫です。」
「じゃあ、ここに置いておくから。
ゆっくりしていってね。」
ふんわりと微笑むおばさん。
病院にいた時よりも…少しだけ、明るくなった気がする。


