「小さい頃から、想世架は身体が弱かった。
だから…やりたいことだって、十分にさせてあげられなかった。」


「……。」


「同い年の子達と同じように、遊ばせてあげたかったけれど…お医者さんから禁止されていて…。
でも、そよは一言も文句は言わなかった。」



ぽつり、ぽつり…とおじさんは話し始めた。


昔の想世架のこと。
俺が知らない、想世架のことを。



「きっと、幼心に分かっていたんだろう。
自分は周りとは違う。
…遊びたい、と言ってもダメと言われてしまうことが分かっていたんだ。」


「……言いたくても、結果が見えていたから、言えなかった…。」


「そう。
千暁くんの言う通りだよ。
…僕達はね、そよを守っていたつもりが…傷つけていたんだ。
そよの世界を小さくしてしまった。」


「……。」


「でも、それは。
君と出会ったことで…変わった。」


「……!」



俺、と…出会ったから…?
想世架が俺と出会ったから、世界が変わった…?