ー千暁sideー



眠りについた想世架の髪をそっと撫でる。
年が明けてから…いや、あのICUの時から想世架は格段に衰えた。


前に、余命宣告を受けた時。
あの頃の想世架は、まだまだ全然元気だった。
確かに、辛そうなところはあったが…今と比べてはまだ元気だったんだ…。


それが、最近の想世架は……。
1日の半分以上を、眠っている。
体力が追いついてきていない、と医者は告げていた。



「お前は、死んだり…しない。
俺が、お前を助けてやるから。」



2月に入って、俺を含む3年生は自由登校となったから俺は毎日病院に足を運ぶ。


大学からの課題は出てるが、それを病院に持ち込んで病院でするようにしてる。

少しでもいいから、想世架の傍にいたい。



「想世架……。」



早く、元気になれよ…?
お前と一緒に行きたいところがあるんだ。

この間見つけたばっかりなんだけど。
すっげぇ、花が綺麗なの。
一面花畑で…人の手が入ってないから、色んな花が咲いてんだよ。

お前、好きだろ?
お前なら…どれが何の花か分かるんじゃねぇかな……。