君が見せてくれた、私の世界

再び、目が覚めた時。
私の身体は……動かなかった。


雁字搦めの身体、息苦しい口元。
機械の一定音。
管が沢山刺さった腕は…見てるだけで痛そう。

それが自分の身体なのに、どこか…他人の身体を見てる気分になる。



「想世架……?
…想世架!想世架!!聞こえるか!?」


「……。」



どこか必死な千暁の声。
私の手を握りしめたまま、私に声をかける。

どうして、そんなに…慌てて…。
寂しかったのかなぁ……。



なんて呑気に思っていたら、九条先生が看護師さんを連れて私の元へ走ってきた。

そんなに急がなくても……。



「想世架ちゃん。
想世架ちゃん、聞こえてる?」



返事の代わりに、頷く。
声を出そうと思ったけれど…声が出なかった。
まだ少しだけ息苦しいから…かも。



「聞こえてるなら、良かった。
ここがどこか分かる?」


「……。」



分からない。
ここは、私の病室じゃないから…。
どこ、なんだろう…?