ー「え、めっちゃ可愛くない?」


ー「うわぁ…なんかお嬢様みたい。」


ー「でも車椅子って…大丈夫なの?」



コソコソとそんな話が聞こえてくる中。


芹沢は、チョークの音を響かせて女の名前を書いた。



「……しらさぎ…そよか…。」



白鷺 想世架。


読み方があってるか分かんねぇけど…多分、そうだろうな。



「アメリカから来た、白鷺想世架さんだ。
…白鷺さん、挨拶お願い。」


「はっ、はい…!」


「……!」



芹沢に言われて、俯いてた顔を上げると。


…真っ白い肌に少し赤みがかった頬。


零れそうなくらい大きな瞳に、赤くて小さな唇。


一際目立つ、黒髪。



このクラス、いや…この学校で1番顔の整った女だ。



「し、白鷺 想世架です。
3歳まで日本にいて、15年間アメリカに行ってました…。
こんな身体なので、必然的に皆さんの助けが必要になります。
もし、その時には助けてもらえたら嬉しいです…。」



白鷺がそう挨拶すると、パチパチと拍手が聞こえてきて。


芹沢が白鷺の身体についていくつか話をしていた。